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筑前遠賀《をんが》の海べりにて、夜みちをあるきけるに、にはかに行く先かべになりて、いづこにも向かふことあたはざりし。これを塗りかべといふ。おそれられし。棒を以て下をはらへばかき消え、いたづらに上をたゝくのみ。 下をはらふとはすなわち身をかゞむるにひとしき。日ごろすこやかなる人の大病の癒えてのち、精いまだ満たざりけるに夜あるきして、立ちくらみに襲はれしに、つねならぬ目まひをくゎいとおぼえしか。 水木翁の曰へる、戦場にてこのくゎいに逢ひしも、いくさをかさねて力のよわまりいたつきたるがゆゑなりか。